当社に転職した前職での同僚から声をかけてもらった縁で、アトムに入社しました。スーパーで青果の仕入れから販売までを手がけ、本社で肉の卸を担当した後、2013(平成25)年よりタイで新拠点の開設などに携わってきました。現在は、その社長を務めながらフォローアップのため各国を飛び回っており、日本に滞在するのは1カ月のうち1週間ほどです。
海外での商談は、相手が日本人であれば何の問題もありませんが、現地の人だと容易ではありません。タイでも英語で説明すればある程度理解してくれますが、細かいニュアンスが伝わりにくく、当初はなかなか受け入れてもらえませんでした。そこでタイ人同士、同じタイ語で交渉するべきだと考えて現地人スタッフを育成し、2年後にようやく軌道に乗り始めました。
海外では、各国で考え方が異なるため日本の常識がまったく通用せず、発想を180度変えるしかありません。商品の発注も機械の修理も、日本人のように迅速に対応してくれないので最初は本当に腹が立ちます(笑)。しかし戸惑ったり、悩んだりしていてもしょうがない。ならばと、トラブルに備えて二の手、三の手を考えて対処するようにしました。そうした柔軟性が徐々に養われ、のちに日本での仕事にも役立てることができました。
海外事業の責任者は、資金繰りや行政手続き、キャッシュフローなど、日本では各部署が分業で行う仕事も自分で対応・決断しなければなりません。給料はもらうものでなく自分で稼ぐものであり、いい意味で会社のお金と自分の財布を同じと考えられるようになります。そうした経営者的な視点や発想を学ぶことができる点は海外事業の魅力のひとつです。
当社と同業他社との違いは、加工・製造・小売が可能で外食店舗も持っており、食に関する大抵のことに対応できる点です。その上、小回りが利いてフットワークも軽い。特に海外では個々に委ねられている部分が多く、自分たちのやりたいことを実行に移しやすい。そうした社風も当社の強みにつながっています。
海外で働きたいと思っても、慣れない環境で暮らすことは想像以上に大変で、特に最初の数カ月は仕事のモチベーションも下がりがちです。しかし、国内外を問わず苦労しない仕事はありません。私もそうでしたが、やりがいを見出せれば大抵のことは乗り越えることができます。
ずっと“商売”に携わってきた私のやりがいは、商品が売れ、お客様に喜んでもらうこと。努力次第で道が開けて、その成果が数字として表れ、評価が高まることに何よりの魅力を感じます。自由な社風で、特に海外において自分の裁量で仕事を進めやすい当社では、同業他社より多くのやりがいを見出すことができるはず。これからますます力を入れていく海外事業において自分の知識や経験を生かしていくとともに、次世代の担い手を1人でも多く育てていきたいです。
TIME SCHEDULE
8:30 | 徒歩で約10分かけて出社 |
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8:50 | 朝礼・ミーティング。全社員で当日の業務内容や前日の問題点などを確認 |
9:00 | 各国からの電話対応、デスクワーク、商談など |
11:00 | もう1人の日本人スタッフと車で営業活動 |
12:00 | 昼食・休憩。ラーメン、うどん、カレーなどの日本食が中心。 「バンコクには何でもある」ので食事に困ることはないとか |
13:00 | 引き続き営業活動。予定や状況に応じて帰社後、電話やメールで連絡事項の確認、その対応や指示など |
18:00 | 退社 |